rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

5月18日 社説「党政策決死貫徹の革命的気風をより高く発揮しよう」

 

 本社説のメインテーマは、「党政策を闘争と生活の指針として、前進の旗幟として堅持していこう」とのスローガンにあるようで、そのための方策として、4点をあげている。

 第一は、「何よりも党政策の精髄を正確に把握し、その正当性を胸に深く刻む」ことである。これには、その趣旨をしっかり理解するということと、それに疑いを抱かず絶対的に正しいものとして受容することという二つの点が含まれていると考えられる。特に後者は、北朝鮮流に言えば「信念化する」ことであり、実践の基礎となることがらであろう。

 第二は、「党政策を無条件に最後まで貫徹するとの確固たる立場」である。ここで「無条件」とは、様々な環境、条件などを理由にして目標を変更したりしない、ということである。その前提には、そういった困難を克服することこそが任務なのだ、という考え方がある。「最後まで」というのは、現実的・具体的な成果を実現するまで、ということであろう。それに反するものとして指摘されているのが「消防隊式働き方」「5分熱度式気風」である。前者は、何か問題が表面化したときだけ大慌てで対策を講じること、後者は、日本流に言えば「3日坊主」ということか。

 第三は、「正面突破戦の基本戦線である経済戦線において自力更生、艱苦奮闘の精神を高く発揮」することである。より具体的には、「原料、資材、設備の国産化を実現し、不足するすべてのものを自体の力と技術で解決していく気風を確立」することを求めている。

 第四は、常套的な要求だが、「党政策貫徹において幹部と党員が旗手になること」である。率先垂範ということであろう。ここでは、その延長で、党組織の役割を高めること、とりわけ党政策貫徹に向けた「思想教養事業」を強化することなどもあげられている。

 総じて、かねての主張の繰り返しであり、特段注目される点もみあたらない。いまはただ、すべてが不足する中でも無用の疑問を抱かず党を信じて、目標実現に向けた刻苦奮闘を続けよということであろうか。最近、とみにこの手の精神論的主張が増えているように感じる。