rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

5月20日 江原道称揚記事を連載

 

 このところ、気のせいか江原道における成果を称賛する記事が多く掲載されているので、簡単に紹介しておきたい。

 まず、一昨日(18日)付けの「労働新聞」は第2面全面を費やして「我が元帥様と江原道人民」と題する記事を掲載、同道において「正面突破戦を鼓舞する革新的な成果が次々に成し遂げられている」として、様々な成果を紹介した。

 同記事は、同道が「領導者(金正恩)の心の中の一番目の場所にある」との同道人民の認識を伝え、その背景となる金正恩の次のような発言を引用する。

 「苦難の行軍時期、慈江道で江界精神が創造されたとするなら、今日は、江原の地で江原道精神が創造されました。慈江道人民が苦難の行軍時期に党政策貫徹において模範を示したなら、今日は、江原道人民が党政策貫徹において旗幟を掲げて創造と建設の槌音を高く上げ、全国の先頭に立ちました」

 もちろん、結論として訴えるのは「全国のすべての人民が彼ら(江原道人民)のように領導者の愛と信頼を心臓に深く保ち忠誠で報いる」ことである。

 本日掲載されたのは、「自分の土地に足を着けた発展戦略を立てて」と題して、「江原道において海に面している実情に合わせ塩を出発原料とする炭酸ソーダ生産工程を整備した」ことなどを紹介する記事及び「自力繁栄の活路を信念を持って開いていく江原道精神創造者達の必勝の気象 江原道自力更生展示館を見て回って」と題する訪問記事(写真付き)である。

 これらの記事で強調されているのは、やはり最近の路線を反映して、地域の実情を活用した自力更生ないし特産品生産の取組みであろう。

 ただやや不審に思うのは、これだけ江原道の各種取組みを紹介しておきながら、元山カルマ海岸観光地区建設についての言及がないことである。これら記事は、地元主体の事業を紹介したもので、国策的に推進されてきた同地区建設は別次元とも言えようが、いずれにせよ、本来の完工期限を1月以上経過しても何の報道もない同地区建設の推移が気になる。