rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

7月15日 「数字重視の企業戦略で発展の近道を探した単位 平川部材工場を訪ねて」

 

 標記記事は、見てのとおり「数字重視」で成果を上げた工場の訪問記事である。「自分の地に足を着けて、自力更生で栄える道を開いていこう」との副題が付されている。

 記事によると、各種建築資材を製造する同工場は、「何年前より建材品の種類が3倍以上にも増え、また、その質も良くて建設現場でこの工場の製品に対する需要が日に日に高まった」という。

 同工場の支配人は、そのような発展の秘訣を尋ねた記者に「数字重視、まさにこれが創造と成功の母である」と答えたという。では、そこで言う「数字重視」とは、具体的にどのようなことかというと、「各原料の配合比率と量を科学的な数字に基づいて定め、計量して混合物を生産」することにした、以前は生産職場ごとに大きさが異なっていたブロックの大きさを均一にした、貨物を積載した車両の重量を計測して貨物の重さを正確に把握できるようになり、原料の入庫量を正確に把握でき経営の効率化が実現された、といったことがらである。

 「数字重視」というのは、最近、北朝鮮が「科学技術」導入を訴える際の一つのスローガンになっている概念であるが、同記事は、その実際が余りに基礎的な「改善」であることを物語っている。昨日の本ブログで紹介した評論でも、国際水準の品質管理を実現する上では「幹部と勤労者の観点と仕事ぶりにおいて革命的転換」が必要と主張されていたが、本日のこの記事を読んでも、「革命的転換」という表現が決して大げさなものではないことが理解できる。