rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月30日 党中央委第7期第22回政治局会議開催、党大会「1月初旬」開催など決定

 

 標記会議が12月29日に開催されたことが本日報じられた。

 同会議報道でまず注目されるのは、会議の運営に関して、「金正恩同志の指導の下、金才竜党中央委員会副委員長が会議を司会した」とされたことである。従前は、概ね「党政治局の委任により金正恩同志が司会した」とされており、党政治局を金正恩以外の人物が司会したと報じられるのは、極めて異例なことである。実体的にどのような会議運営が行われたのかを含めて、その意義は慎重に検討する必要があろう。

 次に会議の内容であるが、基本的に次回大会の準備であり、具体的には、①大会運営に関する準備状況の確認、承認、②大会開催期日の確定、③大会上程議題の検討などである。

 このうち、①に関しては、これまでに各級党組織の代表会で選出された党大会出席者の資格審査・決定、大会執行部・主席壇・書記部の構成案及び議題に伴う大会日程などの確定、大会提出文献の審議などがあげられている。

 ここからは、大会出席者を選出するための地方党組織などの代表会が、既に行われていたことが明らかになった。前回大会の際は、それら動向がその都度報道されていたが、今回は突然このような形で事後的に明らかにされたわけである。ちなみに、韓国では、それに関する報道(情報の紹介)は管見の限りなされていない。こういった会議は、秘密に行うわけでもなく、また、全国一斉に行われているはずである。そういった動向が把握できないとすれば、韓国の情報力というのは、官民ともに実は非常に限定的なものであるということがうかがえる(それでいて、ごく一部の人しか知りえない「極秘情報」が、しばしば伝えられるのは、なぜなのか?)

 また、②については、「1月初旬に開催することについての決定を採択」したとされている。決定自体が日にちを特定していないのか、報道に際してぼかしているのか判然としないが、いずれにせよ、これも事前に開催日を特定した決定を公表した前回大会とは異なる報道スタイルといえる。

 そして、③については、「大会に上程される一連の重大な問題について深度をもって研究討議し、該当の決定を採択した」とされている。ただし、このような表現が何か特別なことを意味するのかといえば、必ずしもそうではないであろう。大会に上程される問題は、すべて「重大な」ものと表現されるとも考えられるからである。

 このほか、現状について、「80日戦闘期間、各分野において革新的成果と前進を成し遂げ、党第8回大会招集のための立派な条件を準備し」、「大会の諸般準備事業が順調に結束されている」との評価が示されたとされる。推測だが、これは、おそらく金正恩の発言であろう。

 「80日戦闘」の結果について、本ブログでは、「概ね善戦」と推測していたが、以上のような評価とも概ね符合しているように思われる。