rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年6月9日 中央委員会全員会議拡大会議開幕

 

 本日の「労働新聞」は、党中央委員会第8期第5回全員会議拡大会議が8日から開始されたことを報じる記事を掲載した。

 同会議の開催は予定されていたことであるが、その報道ぶりは、異例なものとの印象を禁じ得ない。

 何よりも、添付の写真が会議場である党中央本部庁舎に入っていく参加者の姿をうつしたもの1枚だけで、「会議を司会」したとされる金正恩の姿も、会議場の光景も示されていない。

 また、会議の進行状況については、「上程された討議議題を一致可決で承認した」こと、「議題討議に入った」ところまでしか報じていない。昨日の出来事を報じるにしては、遅すぎるとしかいえない。通例であれば、初日の概況を伝えた上で、「会議は続く」と報じるところであろう。

 このほか、微細な点だが、金正恩を除く常務委員の報道序列にも変化が生じた。金徳訓(総理)、趙勇元(党組織秘書)、崔竜海最高人民会議常務委員長)、朴正天(党秘書)、李炳哲(党秘書)の順番になっている。金徳訓が突然、筆頭に躍り出たわけである。これが一時的なものなのか見極めが必要であろう。

 なんと言っても、7日の政治局会議に金正恩が出席していなかっただけに、その姿が写真などで実際に示されないと、本当に大丈夫なのかとの危惧を払拭できない。

 なお、傍聴者は、昨日の本ブログで予測したとおり、中央、道レベルにとどまらず、「市、郡、重要工場、企業所の責任幹部」ということで、相当大規模な会議になっていると考えられる。