rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年1月17日 党大会関連動向

 

 本日の「労働新聞」によると、標記に関し、まず、1月15日、金日成広場において、「朝鮮労働党総秘書として高く推戴された敬愛する金正恩同志に最大の栄光を捧げ、党第8回大会決定を徹底して貫徹するための平壌市軍民連合大会」が開催されたことが報じられている。ここでは、崔竜海が演説を、内閣副総理・梁勝浩、平壌市党責任秘書・金英愌、人民軍将官・金光革(空軍司令官?)が討論を行い、集会に続き群衆示威(市民パレード)が実施されたという。

 続く16日には、金正恩が様々な大会関係者と3か所で記念写真の撮影を行ったことが報じられている。すなわち、①大会傍聴者との撮影を大会会場であった「4・25文化会館」前で、②大会の安全対策に貢献した「護衛・安全・保衛部門将兵」との撮影を党本部庁舎前で、③14日に実施された閲兵式参加者との撮影をその会場となった金日成広場で、それぞれ実施したという。

 このうち、①は、14日の大会代表との撮影に次ぐものであるし、③は、先の党創建75周年慶祝閲兵式の際も同じことを行っているので、格別驚くことではないが、②は、異例の措置である。党大会などの重要政治行事に際しては、軍治安関係部門において格別の安全対策を講じること自体は通例的なことであろうが、その功績をねぎらうためにわざわざ党本部に招いて記念写真を撮影するというのは、何を意味しているのであろうか。それだけ、今次大会が緊張した情勢の中で行われたということなのか、あるいは、護衛・治安・保衛部門に対する金正恩の重視姿勢を示すものなのか、一考を要する問題といえよう。