rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月4日 生産効率化に向けた取組みの実例

 

 2月1日の本ブログで、生産の「質」の向上を具体的にいかに促進するのか、ということを書いたところ、「質」そのものではないが、生産の効率化促進に向けた取り組みの実例を紹介する記事が本日の「労働新聞」に掲載された。

 「改められた競争要綱と高まった生産実績」と題する同記事は、仁浦(音訳)青年炭鉱という炭鉱において、予備採掘場の拡大などに向けた作業班ごとの競争運動を展開した結果、その面では実績が上がったが、採掘に要する爆薬などの消費量が顕著に増加したことを問題視した経営陣が「同じ実績をあげても、火工品(爆薬等の意か)の消耗量によって評価を異なるものにする」よう競争運動の要綱を改める措置をとったところ、その消費量が減少しただけでなく、「掘進工達は資材を極力節約し、使わなくなった付属品などを資材にして再生利用し、技術技能水準を高めるため積極的に努力するようになった」としている。そして、こうした工夫により、「社会主義競争が節約と再資源化、科学技術学習熱意をより高めたことになる」と結論付けている。

 生産現場の競争運動において、生産実績だけでなく、それに要したコストも評価に反映させるというのは、至極当然のことのようにも思えるが、それを行ってこなかったのがこれまでの北朝鮮であり、その結果が今日の経済状態なのであろう。

 同記事は、今更ではあるが、そのような旧弊を改めようとしている北朝鮮生産現場の実情を紹介するものといえるのではないだろうか。