rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月5日 職業総同盟、農業勤労者同盟が中央委員会を開催、委員長を「年齢関係」で更迭

 

 昨日の青年同盟と女性同盟に関する報道に続いて、本日は、標記2団体に関する同旨の記事が掲載された。すなわち、朝鮮職業総同盟が中央委員会第7期第10回全員会議を、朝鮮農業勤労者同盟が第8期第11回全員会議を、いずれも4日、開催し、先の党大会決定の実践方策に関する決定書を採択するとともに、それぞれの大会を招集することを決定した(開催時期には言及無し)。ここまでは、青年同盟、女性同盟と同様の会議運営といえる。

 特異なのは、本日報道された両団体の会議では、それぞれの委員長を「討議に先立ち、年齢関係で召喚(解任)」し、新委員長を選出したことである。職業総同盟の委員長であった朱英吉(2015・8から現職)についても、農勤盟委員長であった金昌ヨップ(2017・3から現職)についても、年齢は把握されておらず(両人とも、その経歴や顔写真等からみて、さほど高齢とは思えないが)、この「年齢関係」というのが具体的に何歳を意味しているのか判然としない。ただ、これまで北朝鮮の人事異動を伝える公式報道において、解任の理由として「健康」問題が示されたことはあったが、「年齢」に直接言及するのは極めて異例なことである。このような報道が今後北朝鮮において、幹部に対する一種の「定年制」を適用すること(あるいはしていること)を示すものであるのか否かが注目される。

  また、昨日報道の団体の会議内容と本日のそれを比較して異なるもう一つの特徴は、今後の団体の活動方針に関し、前者において共通して言及されていた非社会主義的現象への対応について、後者においては、まったく言及されていないことである。後者の方が記事の分量が短めであるためかもしれないが、それらの問題がとりわけ青年層や女性同盟の対象である専業主婦層などにおいて深刻であることの反映と考えることもできよう。