rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年4月3日 「普通江江岸階段式住宅区」の建設促進に向けた集会を開催

 

 本日の「労働新聞」は、1日に金正恩の2回目の視察が報じられた普通江地区の住宅建設場において、「総秘書同志が普通江江岸階段式住宅区を現代的に立派に建設することについて下さったお言葉を徹底して貫徹するための幹部と建設者の集会」が2日、開催されたことを報じた。

 同集会には、党秘書である鄭相学(中央検査委員会委員長)、李日フアン(勤労団体部長)、呉守容(経済部長)をはじめとする党中央委幹部と建設指揮所メンバー、建設者が参加し、李日フアンが「発言」をしたという。その中では、金正恩が同地区を「普通江江岸階段式住宅区」と命名するとともに、「設計から施工、住宅暖房と交通保障に至るまで具体的な課題と方法を明らかにして下さり、戦闘力のある核心建設単位(複数)に施工を託された」ことが明らかにされた。また、同集会では、「建設指揮部組織案が発表」されたという。

 同記事を見た限りでは、同地区の建設は、設計もこれからのことであるばかりか、それを指揮する「指揮部」の組織さえ「案」の状態ということである。ただ、1日の記事では、既に現場に建設単位が進出しているとのことで、設計と工事が同時並行的に行われるものと推測される。結局、金正恩の着想が先行して、党中央の幹部もそれに追いつくのに必死というのが実情のように感じられる。

 ちなみに、工事を担当する「核心建設単位」というのは、具体的に何を指すのか判然としないが、集会の写真などを見ると、幹部の中にも一般参加者の中にも、軍服を着用している者が含まれている。例えば、平壌総合病院の建設に動員された「近衛英雄旅団」や「8建設局」ないしそれに類似の組織が動員されているのではないだろうか。