rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年6月4日 論説「絶対性、無条件性は我が人民の思想精神的特質」

 

 標記論説は、昨日本ブログでも紹介した金正恩「首領」化の軌道上にあるもの。

 「首領の教示、党政策に対する絶対性、無条件性は革命家が帯びるべき基本品性の一つである」「首領の思想と路線を絶対性、無条件性の原則で決死貫徹することは、首領に運命と未来を全的に委託し、首領を一片丹心で奉じていく我が人民特有の気質であり、聖なる伝統である」などと「首領」を乱発した上で、「すべての幹部と党員と勤労者は、敬愛する総秘書同志の思想と領導を実現するための今日の総進軍において絶対性、無条件性の精神を高く発揮し、社会主義偉業の新たな勝利を促進するであろう」と結んでいる。

 ところで、こうして「首領」に位置づけられた金正恩であるが、まさにそうした言説が始まって以降、その姿を人民の前に表していない(最後は5月6日の軍人家族芸術小組公演出演者との記念写真撮影)。「首領」としての登場の機会を慎重に図っているのと見るのは考えすぎかもしれないが、動向に関心がもたれる。

 それと余談だが、昨年はあれほど頻繁に開催が報じられた政治局会議(1年間に12回、他に政務局会議が2回)だが、今年に入っていまだ1度も開催の報道がない。この変化はどう考えるべきなのだろうか。