rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年8月27日 青年対策関連記事を多数掲載

 

 本日の「労働新聞」は、「青年節」を明日に控えているためか、青年関係の論評・記事を多数掲載している。その中で興味をひかれたものをいくつか簡単に紹介したい。

 「祖国の大きな荷物を皆引き受けて青春の気象を余すところなく轟かしていく」と題する記事は、「青年突撃隊活動」に関し、「総合された資料によると、全国的に主要建設場と工場、企業所、協同田野(農場)ごとで、20余万名の青年同盟幹部と同盟員が青年突撃隊活動を力強く展開している」とした上で、各地の動向を紹介している。

 「青年は社会主義道徳と文化の真の主人にならなければならない」と題する論説は、青年に対する思想教養活動の必要性について、「今日の青年は革命の試練を経たことのない世代である」とした上で、「今、敵対勢力は、新世代青年を精神道徳的に変質堕落させるため反動的な思想文化的しんとう策動に執拗に執着している。主客観的要因は、我が青年を高尚な道徳倫理の体現者、新文明の創造者としてよりしっかりと準備させることを切迫して要求している」と主張し、それが喫緊の課題であることを改めて強調している。

 「美徳と美風の先駆者」と題する評論は、そのような青年対策の具体的課題に関し、「青年が美徳と美風の先駆者になるようにする上で重要なこと」として、①「前世代青年の気風に従い学ぶための事業を組織して、彼らが人生の座標を党が求める所に定め党の戦闘的訴えに英雄的偉勲創造者として呼応するようにすること」、②「青年が社会と集団のため貢献することを人生の最高の生きがいとみなすようにすること」、③「肯定(模範)の芽、美風の芽を積極的に助長し発展させ、誰もが愛国青年になるようにすること」をあげている。

 このほか、「科学技術で革新と発展の近道を開いていこう」との共通題目の下に掲載された科学技術関連の一連の記事の中でも、「各地青年、青年科学技術行軍に積極参加」と題する記事が、「国家科学院、鉄道研究院をはじめとした科学研究部門の青年科学者は、・・・国の科学技術発展と経済発展、人民生活向上に積極的に貢献している」「金日成総合大学、金策工業総合大学をはじめとした教育部門の青年科学者も世界と競争する大胆な気迫と豊富で専攻分野の先端科学技術を掌握するため専心努力している」など、各分野での青年科学者、技術者の活躍ぶりを称揚している。

 最後の記事に関しては、日ごろの朝鮮中央放送のニュース番組でも、各地の機関・企業所などにおける「革新成果」、新技術の導入状況などを紹介するに際し、「部員」「技術準備員」などといった肩書を持つ比較的若い人が状況を説明する場面を頻繁に見かけることから、高い教育を受けた新世代が活躍しているという実情をそれなりに反映しているのではないかと思われる。