rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年9月14日 巡航ミサイル試射をめぐって(補論)

 

 標記に関し昨日の本ブログで言い足りなかった点を補足しておきたい。それは、記事に添付された写真についてである。

 添付された写真は2枚で、運搬用車両(装輪式、前部2軸。後部は不詳)に積載された発射塔(5連装)からミサイルが発射される瞬間を映したものと飛翔中とみられるミサイル本体(中央部付近から短い翼を出している)を映したものである(背景なし)。

 ここで指摘したいのは、ミサイル弾着時の写真がないことである。それを見れば、標的の大きさなどから、同ミサイルが試射前にどの程度の命中性能が期待されており、また、試射の結果どの程度の性能を発揮したのかが一目瞭然であろう。仮にそれが真に誇るに足るものであれば、公開するのが普通であろう。換言すると、今回の試射でそれが示されなかったということは、対外的に誇示できるほどのものではなかったということを間接的に示していると言えるのではないだろうか。

 北朝鮮の科学技術能力一般を過少評価すべきではないが、今次試射に限っていえば、「北朝鮮版トマホーク」が完成したと見るのは早計なように思われる。