rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年10月21日 社説「新たな前進と力動の時代の要求に即して思想事業において根本的な転換を起こそう」(10月22日記)

 

 標記社説は、明示はされていないが、金正恩が10月10日の党創建記念講演会における演説の中で、党活動強化における重要課題として「思想事業」活性化を訴えたことを受けたものであろう。

 社説が「現時期、我が党思想事業の基本要求」としてまず掲げるのは、「社会のすべての成員を敬愛する総秘書同志の革命思想を信念化、体質化した真の忠臣、熱烈な愛国者として準備させること」である。

 ただ、同社説の本来の趣旨は、次に掲げる「思想事業を・・時代と革命発展の要求に即し不断に革新すること」のようであり、これに続けて、いくつかの各論が挙げられている。

 その第一は、「総秘書同志の革命思想で一色化するための事業に党思想事業の火力を総集中」することである。

 二番目が「5大教養を基本とする思想事業を攻勢的に実質的に展開」することである。中でも、「社会主義信念教養を強化することに特別の注目を払い、手段と方法を総動員して社会主義偉業の正当性と必勝不敗性、資本主義の反動性と滅亡の不可避性について原理的に説得力を持って粘り強く解説宣伝」することを求めている。

 そして、三番目以降は、「3大革命赤旗獲得運動」の活性化、「宣伝扇動力量と手段」の役割発揮など、いわば実務的・制度的な課題が提起されている。

 やはり、ここで注目されるのは、金正恩の権威高揚が繰り返し強調され、あわせて、社会主義制度に対する信任の取り付けが優先的に求められていることである。

 本ブログで何回も繰り返してきたことであるが、そうした点について社会的に懐疑・不信が拡散しているからこそ、そうした課題がいわば「手を変え品を変えて」提起されるのであろう。