rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年1月22日 北朝鮮の各種大陸間弾道弾諸元

 

 先日の政治局会議報道により、これまで「猶予」されてきた大陸間弾道ミサイル発射の可能性に脚光が当てられている。こうした中、本日のSPNソウル平壌ニュースは、「米国まで射程圏 北ICBM・・・多弾頭火星17型 ゲームチェンジャー」と題する記事を掲載し、標記に関し非常に有用な情報を記載している。以下は、その骨子を整理したものである。

火星13(KN08):2012年4月15日閲兵式に登場:試験発射なし

火星13改良型(KN14):2015年10月10日閲兵式に登場:試験発射なし

(開発中断と推定)

火星14(KN20) 長さ約19.8メートル、直径約1.85メートル 2段式 液体燃料

第1回発射:2017・7・4 平安北道方現飛行場一帯 930㎞、39分間飛行、頂点高度2803㎞

第2回発射:2017・7・28 慈江道舞坪里一帯 1000㎞、47分間飛行、頂点高度3700㎞ 推定射程距離:5000~6000㎞

火星15(KN22) 長さ約21~22.5メートル、直径2.0~2.4メートル 2段式液体燃料

第1回発射(金正恩立ち合い):2017・11・29 平安南道平城一帯 950㎞、53分間飛行、頂点高度4475㎞ 推定射程距離:8500~13000㎞

火星17 長さ24~26メートル、直径2.5~2.9メートル 推定射程距離15000㎞とも

2020年10月10日閲兵式に登場、2021年10月国防発展展示会でも展示。これまでのところ試験発射なし

 こうして見ると、北朝鮮大陸間弾道ミサイルの開発が着実に進展していることが改めてうかがえる。また、当面、注目されるのが、閲兵式に姿は現したものの、これまで試射が行われていない火星17の発射実験であることがうかがえる。果たしてそれは行われるのか、あるとすればいつになるのか。予断を許さない。