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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年3月1日 第2回初級党秘書大会閉幕、金正恩が「結語」と「閉会辞」

 

 本日の「労働新聞」は、標記大会が2月28日、閉幕したことを報じるともに、そこで行われた金正恩の「結論」を伝える記事及び同人の「閉会辞」を掲載した。

 これら記事によると、まず、3日目を迎えた同大会では、前日に続く討論が行われた。記事中に名前が紹介されたのは、三池淵市中興里党秘書、国家科学院中央鉱業研究所初級党秘書、南徳青年炭鉱初級党秘書の3人である。これで3日間の討論者として名前を報じられたのは、26人になるが、別途に掲載された討論者写真(30人)には、それ以外に、社会安全省局初級党秘書、10月7日工場初級党秘書、徳城機械工場初級党秘書、軍需工場初級党秘書の4人が掲載されている。この4人だけ、記事中に名前がなかった理由は、治安、軍需関係であるからとも考えられるが、別途に写真まで出しているので、「頭かくして尻隠さず」であり、確たることは分からない。

 その後、「党総秘書表彰状」の授与が行われ、金正恩が改めて「お言葉」を述べた後、「我が党の政治幹部としての真の姿勢と執務態度を帯び、高い実績を示している」50人の初級党秘書(氏名のみ報道)に対して自ら表彰状を授与、記念写真を撮影した。

 これに続いて、金正恩が「初級党秘書は、母なる党の真の政治幹部になろう」と題する「結論」を述べた。そこでは、初日と同様、初級党秘書の奮闘ぶりを称えると同時に「初級党秘書の中で現れている普遍的な欠陥について指摘」した上で、「現時期、基本として堅持し執行すべき重要課題」として、「人民のために献身的に服務する母としての役割、従僕としての役割」の発揮を訴え、「人民の便利と生活を最大限図ること、これが今日我が党が望む初級党秘書の基本姿勢、基本品性」であると強調した。

 ただし、その具体策として「重点を置いて力を注ぐべき問題」として挙げたのは、「自らの単位の幹部と党員と勤労者を立派な政治道徳的風貌を帯びた社会主義的人間として育てること」と「党大会と党中央委員会の決定貫徹のための組織政治事業を力強く展開すること」である。そのためには、母親同様、「時には痛い鞭も持つ」ことが必要と諭している。以下、留意すべき点をもろもろ述べ、そのなかでは、「従業員の生活を温かく面倒見る」ことなどにも言及しているが、それらは、いずれもこの目標実現のための方策ととらえるべきであろう。

 金正恩は、この「結論」に続いて「閉会辞」を述べ、そこでも改めて、「母親の心情で、誠実な従僕の姿勢で人民を奉じ」ることを強調し、「官僚主義、不正腐敗行為」を戒めた上で、一層の奮闘努力を訴えて閉会を宣言した。