2022年4月3日 金正恩、瓊楼洞に建設の江岸楼閣式住宅区を視察
本日の「労働新聞」は、標記視察に関する記事を掲載した(視察日には言及せず)。
まず、同行者から見ると、趙勇元組織秘書、李熙容党中央委第一副部長、金予正、玄松月、金容守副部長の名前が報じられている。このうち、李熙容は、昨年1月の党8回大会で党中央検査委員会副委員長に選出された人物。金容守は、これまで財政経理部長と見られており、同一人物とすると降格されたことになる。同人の降格に伴って、李熙容が同部の第一副部長に就いたのであろうか。同地区の建設は、着工時の金正恩の指示により党中央委の全面的支援の下で行われたので、同部の幹部が随行したとみることができる。
一方、「現地で設計機関及び施工単位責任幹部が出迎えた」とされ、写真では、軍人多数が随行しているので、実際の施工は、軍が中心になったと考えられる。
記事は、同地区建設が金正恩の指示に基づき、「党と国家のため献身的に服務している各部門の労力革新者、功労者と科学者、教育者、文筆家」らのため着工されたもので、「(着工以来の)過去1年間、多数の設計形成案を検討して下さり、建設で提起される大小の問題をすべて解決して下さり、精力的に指導して下さった」として、同人の「直接的な指導」を強調している。
金正恩は、建設関係者の「燃えるような忠誠心と労力的献身」を賞賛し、「我が党の建築美学思想が徹底して具現され、現代性と便利性が立派に結合した新たな形式の住宅建設の見本が創造された」などとして、「満足を表示」したという。
その上で、「中央と地方の各級設計機関においては、・・(同地区建設で)成し遂げた成果と経験を幅広く受け入れ」るよう求め、とりわけ、「園林景観設計」の発展に力を注ぎ、「首都と全国の道、市、郡所在地の環境改善のための園林設計」に関し、「強い対策を立てることについて強調」したほか、「長時間をかけて各種形態の住宅内部を視察」したという。
そして、「意義深い太陽節(4月15日)前夜に各部門で選抜された対象世帯に入居証を伝達し、竣工式を意義深く実施する」ことを指示した。
添付の写真を見ると、同地区は、確かに高級住宅地区の趣があり、住宅内部も広々とした立派な造りになっている。これだけのものを作れば、労働者、インテリらに対す勤労意欲引き出しの効果は相当発揮できるのではないだろうか。併せて、記事が最後に言及している「祖国の繫栄と人民の幸福のため不眠不休の労苦を捧げておられる敬愛する金正恩同志の愛民献身の志」もアピールでき、一石二鳥の成果となるのであろう。