rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年7月17日 社説「党中央の決定と指示を決死貫徹する革命的気風をより高く発揮しよう」

 

 標記社説は、前段で、「党中央の決定と指示を決死貫徹する」ことの重要性について、①「主体的力、内的動力を非常に増大させ活気あふれる国家発展の新たな局面をひらいていくための必須的要求」、②「一致団結した力で防疫戦線において勝利を成し遂げるための必須的要求」であることを挙げる。なお、①では、党中央を核とした一致団結こそが主体的力、内的動力の源泉であると主張している。

 後段では、その実現のための方法として次の3点を訴えている。

 第一は、「党中央の決定と指示をすべての思考と行動の出発点とみなし闘争」することである。そうして、「党中央の決定と指示をすなわち法として、至上の命令とみなし、些細な理由と口実もなく、一つも漏らすことなく、無条件に徹底して貫徹」することを訴える。

 第二は、「党の唯一的領導体系の深化」である。それは、具体的には、「総秘書同志のお教えは、すなわち真理であり、実践であるとの確固たる信念を堅持」しつつ、「革命と建設で提起されるすべての問題を党中央に報告し、唯一的結論にしたがって処理する革命的規律と秩序」を確立することと説明される。

 第三は、「第4回、第5回全員会議の決定貫徹において無条件性、徹底性、正確性の気風を高く発揮」することである。そして、そのために、「党決定貫徹を妨害する主たる障害物である敗北主義と無責任性、無能力と要領主義、三日坊主的執務姿勢、本位主義をはじめとしたあらゆる誤った思想観点と執務姿勢」を払拭すべきことを訴えている。

 社説は、これに続き、以上のような課題の実行主体として、党員、幹部、党組織を挙げ、それぞれの役割発揮を訴えているが、そこは省略する。

 以上のような社説の主張は、結局のところ、党中央=金正恩を信じて頑張れ、という訴えであり、「思想論」に基づく苦境打開を訴えた14日付け評論と一脈通じるように思える。また、同社説には、15日の本ブログで紹介した内閣全員会議拡大会議(そこでは15日開催と記述したが14日開催の誤りでしたので訂正します)で目についた「無条件性」も、繰り返されている。更に言うと、「党中央の唯一的領導体系」もこのところ盛んに主張されている。こうした同旨のトートロジー的な主張がひらすら繰り返されているのが今日の北朝鮮の状況といえよう。