2023年10月16日 12月5日青年鉱山結晶マンチョ生産工程の竣工を報道
本日の「労働新聞」は、第1面トップに「主体的化学工業発展に貢献するもう一つの貴重な財産」と題する記事を掲げて、標記竣工式が15日に実施されたことを報じた。
同竣工式には、金徳訓総理をはじめ、楊勝浩副総理、金鉄洙採掘工業相、金勝進国家科学院長、呉容守党書記、李英哲平安北道人民委員長らが出席し、楊副総理が竣工辞を述べた。
記事は、同生産工程について、「自立的な炭酸ソーダ工業創設に画期的な意義を持つ」ものと伝えている。竣工辞でも、金正恩が「希マンチョ(ボウ硝)を出発原料とする化学工業創設を我々の力と技術で国の経済命脈を守り発展させるための重要な問題」として重視してきたことに言及している。
また、同鉱山については、金徳訓総理の「現地了解」が、2021年6月27日、22年8月16日、23年4月3日の3回も報じられている。
こうした報道ぶりや竣工式への出席者の顔ぶれなどから見ても、同生産工程の竣工が北朝鮮経済の「自立化」において、相当重要な意義を持つものと位置づけられていることがうかがえる。経済分野における今年に入って以来、最大のイベントと言っても過言ではないであろう。少なくとも、そのように演出していることは間違いない。
なお、「朝鮮語大辞典」によると、「マンチョ」(ボウ硝)とは、「『工業用無水類酸ナトリウム』の別名。・・自然界に鉱物として存在するが、主に人絹スフ・・などを製造するとき副産物として得られるものを精製して用いる。パルプ、ガラス工業と硫化ソーダの製造、合成洗浄剤、染色、医薬などに用いられる」と説明されている。
今次竣工したのは、従前、主に副産物として得ていた「マンチョ」を鉱物から直接採取する工程と考えられ、それによって、各種製品の原料の安定的供給を可能にしたのではないかと思われる(技術的なことは余り良く分からないのだが)
ただ、同生産工程の竣工は、あくまでも「出発点」に過ぎず、それを現実的成果(各種製品の増産)につなげるためには、「化学工業の主体化、現代化を実現し持続的な発展軌道に乗せるための展望計画を本格的に推進しなければならない」(竣工辞)のであろう。
実際のところは、 「人民経済発展5か年計画」開始以来、既に計画期間の半分以上が過ぎた今、「日暮れて道遠し」の感があるのかもしれない。