rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年10月17日 地方人民会議代議員選挙の実施予定を報道

 

 本日の「労働新聞」は、「朝鮮民主主義人民共和国 道(直轄市)、市(区域)、郡人民会議代議員選挙を実施に関する報道」と題し、「憲法第139条と地方人民委員会(複数)の決定により、・・(これらの)人民会議代議員選挙を主体112(2023)年11月26日に実施することになる」とする最高人民会議中央常任委員会の10月16日付け「報道」を掲載した。

 同「報道」は、「このたびの選挙は、人民の主権を人民自身が強く支える我が国家の人民的性格をより堅実にし、すべての地域を全般的国家発展の地域的拠点、強力な堡塁として発展させる上で重要な契機となるであろう」と意義付けている。

 代議員選挙に関しては、以前に本ブログで既に紹介したとおり、8月30日開催の最高人民会議第14期第27回全員会議において、「各級人民会議代議員選挙法」の「選挙委員会の組織原則と代議員候補者に対する推薦及び登録と選挙宣伝、投票及び投票結果の確定、禁止事項と関連した内容」が「修正補充」されている。

 更に遡ると、6月中旬開催の党中央委第8期第8回全員会議拡大会議において、「人民主権の強化における問題について」との議題の下で、崔龍海最高人民会議常任委員長が「発言」し、「勤労者大衆が国家と社会の真の主人としての責任と権利を十分に行使し、中央集権制原則に基づいた民主的選挙制度を一層強化、発展させるための方向で研究した新しい代議員選挙方法」について解説し、「研究案を総会の審議に提起」していた(特段の結論は示されず)。

 11月26日に予定される地方代議員選挙は、こうした経緯を経て制定された新たな選挙方法により実施される初めての選挙になる。具体的にそれがどのようなものなのか、とりわけ「禁止事項」が規定されただけに、複数候補者の実際的な競争を伴うものになるのか否かが大いに注目される。

 なお、前回の地方代議員選挙は、2019年7月に実施された由であり、既に地方代議員の任期3年を超えているが、前述のような選挙制度改革の影響で4か月遅れでの選挙実施ということになったのであろう。