rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年3月24日 祖国統一民主主義戦線中央委員会の解体を報道

 

 本日の朝鮮中央通信は、標記委員会が23日、会議を開催し、自らを「正式に解体することを決定」したとする記事を掲載した。そこでは、同決定の経緯として次のような会議内容が紹介されている。

  • 「会議では、朝鮮労働党と共和国政府が・・大韓民国の連中を和解と統一の相手ではない最も敵対的な国家、不変の主敵、徹底的な他国と烙印を押し、北南関係と統一政策に対する立場を新しく定立したことについて強調した」
  • 「北南関係が・・戦争中にある二つの交戦国関係として完全に固着された現実で、全民族的な統一戦線組織である祖国統一民主主義戦線中央委員会がこれ以上、存在する必要がないということについて見解の一致を見た」

 祖国統一民主戦線は、その名の示す通り労働党をはじめとする諸団体の統一戦線組織であるので、「中央委員会」が解散するということは、すなわち「統一戦線」自体が消滅することを意味する(それを構成していた各団体は、そのまま存続する)のであろう。

 同委員会の解散は、1月12日開催の対敵部門活動家決起集会において、「北南関係の改善と平和統一のための連帯機構として設けた6・15共同宣言実践北側委員会、祖国統一汎民族連合北側本部、民族和解協議会、檀君民族統一協議会など、我々の関連団体を全て整理すること」が決定されたことの延長線上での動きであり、驚くにはあたらないかもしれないが、長い歴史を持つ組織であるだけに、そこまでやるのかという感慨を禁じ得ない。

 ちなみに、在日朝鮮総連も、同戦線に参加していたと記憶している。多数の韓国国籍者を含む「在日同胞」を活動基盤とする朝鮮総連がこうした韓国切り離しの動きにいかに対応していくのか改めて注目される。