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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年3月25日 金正恩の第105戦車師団視察を報道

 

 本日の「労働新聞」は、金正恩が3月24日、ソウル柳京洙第105戦車師団指揮部と第1戦車装甲歩兵連隊を視察したことを報じる記事を掲載した。その骨子は、次のとおりである。

  • 同行者:朴正天党秘書・軍事委副委員長、強純男国防相、李永吉総参謀長
  • 師団指揮部での主な動向:①革命事績館(金日成金正日の指導経緯などを展示)を視察、②師団長から師団の攻撃・防御作戦計画に対する報告聴取、師団管下連合部隊の作戦戦闘任務と戦闘訓練方向を教示、③軍人会館で師団芸術宣伝隊の公演を観覧、④指揮部将兵と記念写真撮影
  • 師団直属第1タンク装甲歩兵連隊での主な動向:①迎接報告を受ける、②訓練競技で優勝したタンク兵を再度激励、③連隊指揮部庁舎で指揮メンバーと談話、④区分隊兵室(寝室)視察、⑤連隊訓練場でタンク兵の障害物克服・高速突破訓練を指導、⑤訓練参加タンク兵及び連隊兵士と記念写真撮影、⑥区分隊食堂(食事状況)を視察
  • 金正恩の主な発言:「戦争準備の完成と戦闘力強化の誇らしい成果で主席と国防委員長の不滅の業績をしっかり守り、一層輝かせていくようにすべきだ」(革命事績館にて)、「戦車兵を圧倒的な思想・精神力でより徹底的に武装させ、軍事技術的に、肉体的にしっかり鍛え上げ、戦闘技術機材の経常的な動員態勢を抜かりなく整える」ことを指示(師団指揮部にて)「指揮官が軍人の食生活をより改善するためにいつも深い関心を払い、肉と野菜をはじめいろいろな副食物を適時に日常的に保障し、兵士らに立派な生活条件を整えてやるために真心を尽くして努力しなければならない」(食堂にて)

 今次の同師団への視察は、3月13日に実施の「戦車兵大連合部隊間の対抗訓練競技」で同師団の出場チームが優勝したことを受けてのものと思われる。ただし、添付写真で紹介された訓練風景に登場する戦車は、その際に披露された新型戦車ではない従来型のもののようである。新型戦車が同師団に未配備であるのか、あるいは、今次視察した第1装甲歩兵連隊とは別の戦車部隊があって、そこに配備されているのかは定かでない。

 なお、金正恩の発言のうち注目されるのは、「戦闘技術機材の経常的な動員態勢を抜かりなく整える」という部分(下線部)で、陸上部隊の中での最エリート部隊である同師団においてさえ、戦闘技術資材(戦車の部品等であろう)を常備することが問題になっていることをうかがわせるものと考えられる。いわんやその他の一般部隊においておや、ということであろう。

 このほか、食事風景で食卓に白米・おかずが山盛りであったのは、ご愛敬とみるべきであろう。常にこういう状態が問題なく維持できるのであれば、敢えて指揮官に食生活改善への腐心を訴える必要もないのではないか。