rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

3月28日 社説「幹部たちは情熱的な思索家、実践家になろう」

 

 標記社説は、北朝鮮において今期待されている幹部の理想像を示したもの。

 まず挙げられているのは、「全社会的に数字を重視する気風を確立すること」である。具体的には、「生産と経営活動で最大限の効率性と実利を保障、資金と資材、労力を節約するための最良化、最適化」することなどに努めることである。合理性、現実性を重視する姿勢といえよう。

 次に挙げられるのは、前項とは対照的に「自分の単位を党と人民の前に全面的に責任を負うとの透徹した思想観点」である。注目されるのは、ここで「責任」の対象として、「自分の単位の現行事業だけでなく、従業員の生活問題まで」含むとしている点である。あわせて「自分の代だけでなくその後も単位が持続的に発展できるようにしっかりと土台を築くこと」も求めている。

 更に、「党政策を深く研究し、無条件に執行することを生活化、習癖化すること」もあげられている。自分の単位に与えられた課題の大局的意義をしっかりと理解し、その趣旨に即して課題を遂行していくことを求めるものと考えられる。

 また、「常に現場に降りていき、大衆の声に前進発展の方途を見出し、現実へと転換させること」を求めている。「現場主義」といえよう。

 最後に、幹部が自らの「実力向上」に努めることの重要性を強調する。「世界的な発展趨勢を把握するため・・・発展する現実に合うよう不断に新しいことを学ぶ」ことなどを訴えている。

 こうしてみると、北朝鮮の幹部だからと言って特別なことが要求されているわけではなく、普通の国の企業幹部にも概ね適用可能な要求がなされているように思える。