rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

4月9日 評論「道徳は幹部の価値と品格を規定する重要な徴表」

 

 標記評論は、幹部に対し、礼儀道徳の確立すなわち周囲の人物への丁重な対応や清廉さの保持などの重要性を訴えたものである。まず、その理由として、2点をあげる。

 第一は、「まず、幹部が礼儀道徳をしっかり守ってこそ、群衆と近づけるし、仕事を行う上での権威も立てることができるから」である。反面、「いつも格好をつけて、大声やとげとげしい行動で人々に対するなら、そのような幹部に群衆はついていかなくなる」と戒める。

 第二は、該当単位、該当部門の道徳的風貌が幹部の役割と風貌に大きくかかっているから」である。「幹部が礼儀道徳を守ることにおいて、群衆の鏡となり見本となってこそ、集団内に健全な道徳気風をたてていくことができる」と主張する。換言すると、「魚は頭から腐る」ということを戒めていると考えられる。

 評論は、その上で「特別に強調すべき問題」として、群衆に対する幹部の高慢・尊大な姿勢を戒め、「自分を群衆の上に立つ特殊な存在とみなして、格式をつけ傍若無人的に行動する幹部は、既に幹部の資格を失ったのとかわらない」と主張する。また「また幹部はいかなる特典、特恵も望んではならず、清廉潔白に生活し」なければならないと説く。

 更に、とりわけ党機関に勤務する幹部に対しては、礼儀道徳への配慮が一層求められるとして、「党幹部は行政経済幹部や人民に対するにおいて、権柄と官僚主義を振り回し、特権行動をするようなことが絶対にないよう」要求している。

 なお、本日の「労働新聞」紙上には、このほかに、「高尚で文化的な言語生活」と題して、群衆らに丁寧な口調で話しかけ人望を得た幹部の活動事例を紹介する記事も掲載されている。共にこのところの官僚主義批判キャンペーンの一環といえよう。