rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

5月27日 評論「党政策絶対信奉者」

 

 標記評論は、「我が党が望む党政策絶対信奉者とはいかなる人か」、すなわち北朝鮮における理想の人間像を論じたもの。

 評論は、そのためには、「まず、党政策は科学であり、真理であり、勝利であるとの哲理を骨の中に深く刻み込んだ信念の強者である」ことが必要とする。それが具体的に指すのは、「党政策を最も正当なものとみなす人には、党政策に対して半信半疑であったり、背後で議論したりする現象、党政策を言葉でだけ受け取り、その執行を怠る現象が絶対に現れることがない」との主張からして、そういった否定的現象とは無縁の人という意味であろう。

 次に求められるのは、「党政策決死貫徹の闘争気風を体質化した不屈の闘士である」ことである。党政策を実際に実践し、結果を出すまで頑張る人という意味であろう。その延長で、「党政策貫徹においては、軽重と席次はありえない。党政策を一つでも逃せば、党の構想と意図が正確に実現され得ない」ことが主張される。つまり、党政策は、できるだけ実行するのでは足らず、それらのすべてを完全に実行しなくてはならないということであろう。

 最後に、「党政策第一信奉者、党政策貫徹の第一先駆者になるべき人は、ほかでもなく幹部達である」との主張がなされている。「幹部が党政策貫徹の成果いかんは自身の政治思想的覚悟と組織動員者的役割にかかっているとの非常な覚悟を抱いて猛活躍する」ことを求めているのである。

 本日付けの別項(論説「「今日の正面突破戦は人民に対する滅私服務戦である」でも、党政策に対し懐疑、不信を抱かないことが重要な要件として掲げられていた。この評論でもそれが最大の問題として取り上げられており、しかも、それが何よりも幹部に対して求められている。やはり、現実にそういった現象が起きている、それも広範かつ根深く存在するのではないかと考えざるを得ない。