rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月18日 北朝鮮の今年度の食糧生産量について

 

 本日の韓国聯合通信の報道によると、韓国農村振興庁は、18日、「2020年度北韓の食糧作物生産量推定」を発表したとのことで、それによると、今年度の北朝鮮の食糧作物収穫量は、440万トンであり、これは昨年度の464万トンに比較して5.2%の減少になるという。

 なお、食糧作物の内訳は、コメ202万トン、トウモロコシ151万トン、ジャガイモ・サツマイモ54万トン、麦類16万トン、豆類及びその他雑穀17万トンとされる。このうち、コメの生産量は、昨年比で9.8%の減少であるという。

 本ブログで指摘してきたとおり、北朝鮮の報道は、今年の穀物生産について、昨年に概ね準じる水準である旨を示唆していた。5%程度の減少であれば、そのような報道振りも、当たらずといえども遠からずなものと言えるのではないかと考える。

 そう考えるのは、北朝鮮の人口から割り出した最低所要食糧は、約550万トンと推計されているとのことであるので(本日付けSPNソウル平壌ニュース記事による)、北朝鮮が「最高収穫」と自賛した昨年の水準でも不足量が84万トンに達しており、今年の不足量は110万トンがそれにくらべて極端に多いとも言えないからである。

 北朝鮮指導部としては、その程度であれば、どこからか調達可能と踏んでいるのであろう。とりわけ、韓国文政権は、対北朝鮮支援をしたくてたまらない模様であり、北朝鮮にとっての心理的セーフティーネットの役割を果たしているのではないだろうか。