rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月17日 李雪柱夫人一年ぶりに出現

 

 本日の「労働新聞」は、昨日16日の「光明星節」に際して、金正恩錦繍山太陽宮殿を訪問したこと及び同記念公演を観覧したことを報じた。

 このうち、記念公演観覧に関して、「李雪柱女史」が同行したことを報じるとともに、金正恩の隣に着席した姿を写した写真を掲載した。同夫人の動静が公開に報道されたのは、昨年の旧正月の記念公演を観覧して以来1年余りぶりのことである。その間、報道がないことの背景について、「健康・妊娠」、「コロナ懸念」、「金正恩との不仲」など色々憶測がなされた。今回の報道により、それらのうちの何が正しかったのかが明らかになるわけではない。ただ、気のせいかもしれないが、今日の報道写真は、両人が満面笑みをたたえて仲睦まじく寄り添うかのようなシーンを殊更印象付けているようにも思える。それが事実か否かはともかく、「不仲説」があることを念頭に置いた写真の選択であったと見るのは考え過ぎであろうか。

 なお、同公演の構成については、第1部では「我が将軍様金正日)に対する熱烈な讃歌、憧憬の頌歌」が、第2部では、「偉大な将軍様の一生の志が込められた以民為天、一心団結、自力更生の崇高な理念を高く掲げ、我々式社会主義を新たな勝利へと確信性を持って嚮導される敬愛する金正恩同志を仰いで人民が心臓で터친(歌うの意?)偉人頌歌」がそれぞれ演じられたとされている。このような形式にも、金正日の権威を称えつつ、それを金正恩への忠誠につなげようとの意図が端的に示されているように思える。

 最後に、同日の錦繍山太陽宮殿訪問、公演観覧ともに、「党中央指導機関メンバー」の同行が伝えられている。これは、中央委員会メンバーを指す表現であり、先の全員会議が11日に終了した後も、出席者は、少なくとも16日まで平壌に滞在していたことがうかがわれる。その間、更に会議の趣旨などについての学習・討議などを行っていたのではないだろうか。この日の公演参観は、8日の全員会議開始以来の慰労の意味合いもあるのかもしれない。