rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年3月12日 評論「母なる党の崇高な後代観、未来観が映された愛の法典」

 

 標記評論は、本日の「労働新聞」第1面に、「最高人民会議第14期第6回会議において採択された朝鮮民主主義人民共和国育児法の条項を読み解く」とのサブタイトルを付して掲載されたものである。同評論によると、同法は、「4個の章、61個の条文」で構成されるとのことで、そこに引用された主な条文及びその規定内容は、次のとおりである。

 第2条「児童(어린이)は、祖国の未来であり、国の貴重な宝であり、児童をしっかり育てることよりより重要な革命事業はない」・・「国家は、児童栄養食品の生産及び供給体系を整然と立て、すべての児童に乳製品をはじめとした栄養食品を無償で正常的(継続的の意)に供給し、最も立派な養育条件を保障するようにする」

 第3条「育児事業は、全国家的、全社会的な事業であり、児童を国家と社会の負担で育てることは、重要な共産主義的施策である」

 「第3章には、託児所、幼稚園に対する後援団体を正しく定め、後援事業をしっかり行うことについてと毎年8月と9月を託児所支援月間として、3月と10月を学校支援月間として定め、託児所、幼稚園に対する社会的支援事業を積極的に展開することについての条項も規定されている」

 また、同評論は、こうした条文紹介とともに、そうした同法の内容が「敬愛する総秘書同志の崇高な後代観」を反映したものであることを繰り返し強調している。

 先般、金正恩の政治スタイルとして、「母親」イメージの強調を指摘したが、同法の制定は、「育児」が母性の典型的役割であるのみならず、そこでとりわけ「乳製品」の供給に脚光が当てられているという意味においても、そうしたイメージを端的に具現したものということができよう。