rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2019-01-01から1年間の記事一覧

11月10日 ブログ開設1か月、愛読お礼とコメントのお願い 本ブログ開設からちょうど1か月がたちました。 ご愛読いただいている皆様に心から感謝申し上げまます。 引き続きよろしくお願いいたします。 なお、当初、「ご意見をお願いします」と書きながら…

11月9日 論説「真っ向から立ち向かう攻撃精神で革命を導かれる傑出した領導者」 金正恩を称賛する長文の論説が掲載された。北朝鮮指導部の自己認識ないしは国民に金正恩がどのような面で偉大であると認識させようとしているのか、についての方針をうかが…

11月8日 社説「科学技術重視観点と働きぶりを国風として徹底して確立しよう」 昨日、一昨日と科学技術重視の傾向について紹介したが、本日付けの標記社説もまさにそれと符合するものである。ややくどくなるかもしれないが、そのさわりを紹介したい。 社説…

11月7日 論説「教員陣営強化は教育強国、人材強国建設の重要な担保 教育事業発展の先決条件」 北朝鮮が近年、科学技術振興に全力で取り組んでいることは昨日のブログで述べたとおりであるが、それを実現するためには、まず教育の充実が必要であり、さらに…

11月6日 全国情報化成果展覧会―2019 本日付け『労働新聞』には、「数字経済を志向する情報化熱風を一層高潮させよう 全国情報化成果展覧会―2019を見て」との共通題目の下、同博覧会に関する多くの記事が掲載されており、写真が添付されているもの…

11月2日付け社説「新年課業貫徹に拍車を加え今年度戦闘を輝かしく結束しよう」(11月5日記) 掲載から少し間が開いてしまったが、標記社説を紹介したい。 内容は、見てのとおり、11月に入ったことを受けて今年もあと2か月、新年に際して立てた各部…

11月2日評論「社会主義分配原則を徹底して守ろう」(11月3日記) 本評論は、10月26日に紹介した10月25日付けの評論「分組管理制の優越性を高く発揮させよう」で言及されていた社会主義分配原則、とりわけ甫田担当責任制におけるその適用につい…

11月1日 「超大型放射砲の射撃実験実施」を報道 本日付け「労働新聞」が10月31日に国防科学院が標記実験を実施したことを写真付きで報じた。 「超大型放射砲の射撃実験」が報じられるのは、本年8月25日(実施は24日)、9月11日(同10日)に…

10月31日付け論説「事業における創発性は幹部が帯びるべき必須的徴表」 敢えて直訳したが、「創発性」とは創造性と自発性を兼ねた意味で、北朝鮮ではしばしば用いられる表現。「徴表」は、特徴と言い換えても大きく違わないであろう。要するに、幹部(イ…

10月30日 首領を「相対化」? 今日も昨日に続き、「首領」に関連する問題を論じたい。10月27日付けの本ブログ記事の中で、金正恩の発言(「先任者批判」)に同行者が同調した発言をした旨が報じられたことについて、首領の地位を相対化するものでは…

10月29日 金正恩は「首領」? 一昨日(10月27日)の本ブログ記事中、標記の問題を提起しただけで、中身の議論は割愛してしまった。今日は、この点に関する所見の一端を披瀝したい。 まず、首領とその後継者との関係について述べたい。これは、北朝鮮の文…

10月28日 金正恩が医療器具工場で怒った訳は? 10月27日付けで金正恩が新たに建替え工事中の妙香山医療器具工場を現地指導したことが報じられた。多くの報道は、そこで金正恩が建替え工事の出来栄えが悪いとして担当者を厳しく叱責したと報じている…

10月27日 金正恩は金正日を批判したのか? (金剛山での「先任者批判」再論) 10月23日、金正恩が金剛山観光地区を現地指導し、「他人に依存しようとした先任者たちの依存政策が極めて誤ったものであったと厳しく批判」したことが報じられた。 本ブ…

10月25日 評論「分組管理制の優越性を高く発揮させよう」(10月26日記) 巷間、北朝鮮では金正恩時代に入って経済各分野でいわゆる「市場経済的」要素が従前以上に許容・導入され、農業部門では、それが「甫田担当責任制」と称して、耕地の個人請負を許…

10月25日 金正恩が平安南道陽徳郡の温泉観光地区建設場を現地指導 一昨日報じられた金正恩の金剛山観光地区現地指導に続き、今日は、完成間近とされる標記建設現場への現地指導が報じられた。 同地区は、金正恩がこのところ最も力を注いでいる建設対象の…

10月23日付け社説「自力富強、自力繁栄の一路に沿って力強く進んでいこう」(10月24日記) 北朝鮮は、このところ「自力更生」を国家運営の基本方針と位置付けているようにみえる。しかし、そこで用いられる「自力更生」の概念には、これまで本ブログでも…

10月23日 金正恩の金剛山観光地区現地指導の狙い(10・24改訂版) 本日のトップニュースは、いうまでもなく金正恩の金剛山観光地区に対する現地指導であろう。なかでも、韓国側によって建てられた施設の撤去を命じたことは、韓国で大きく報じられ、対韓姿勢…

10月22日 北朝鮮分析の方法論をめぐる試論 今日は余り注目される記事もなかったので、10月15日付けの記事の末尾に書いた「私独自の北朝鮮分析の方法論」を披瀝させていただく。 なお、以下の論稿は、約2年前に自分の考えを整理するために執筆し、その後、ご…

10月21日 北朝鮮教育界に不正腐敗が蔓延? 本日、「教育者は高尚な精神道徳的品性を帯びなければならない」と題する論説が掲載された。同論説は、教育者すなわち学校教員に求められる「高い精神道徳的品性」として、具体的には、①教育者的良心、②母性、③原則…

10月19日 論説「民族自尊は我々の生命である」 本日掲載の標記論説は、「我々にあって民族自尊は、自らが持てるものをすべて売り払っても絶対に売ってはならず、飢え死にし凍え死んでも捨ててはならない命綱のようなものである」として、「民族自尊」の重要…

10月18日 金正恩が温室野菜農場建設現場を現地指導 本日付けで、金正恩委員長が咸鏡北道鏡城郡の温室野菜農場・養苗場を現地指導したことが報じられた(指導の日付は報道せず)。記事には同工場の全景写真が添えられており、非常に広大な地区に見渡す限りビ…

10月17日 社説「偉大な白頭霊将の駿馬行軍の道に従って必勝の信念も高く前へ」 昨日の記事で金正恩が白頭山頂で考えた「作戦」とは何か、という問題提起をしたが、この社説は、まさにそれに答えるもので、我田引水かもしれないが、それが国内向けの動員強化…

10月16日 金正恩が白頭山で考えた「作戦」とは? 金正恩委員長が白頭山頂に白馬で登ったとの記事が、ナポレオンのアルプス越えを彷彿させる金正恩の乗馬姿を写した写真(金正恩と馬だけが写っている。同行幹部の姿なし)とともに掲載された。 このような報道…

10月16日 今日も「軍民大団結」や「国家的利益」を強調 昨日に続き、今日も「軍民大団結」関連の記事・評論がいくつか掲載されている。 その一つは「強国建設の力強い推動力」と題する評論で、第7回党大会における金正恩の結語の中から「軍民大団結」強化を…

10月15日 政論「軍民大団結の偉大な力」 3日前に「軍民大団結」のポスターの記事を紹介したが、今日は、それを主題とした政論(あるテーマに関し、感情に訴えるような文章で奮起・取り組みを呼びかける長文の評論。社説よりも掲載頻度は低く、当局が特に重視…

10月14日 北朝鮮にとっての核戦力の効用(草稿)~その2 昨日の続きです。 3 核戦力の限定的使用の可能性 本項では、前項での北朝鮮核戦力の持つ抑止力の限界に関する検討を補うために、北朝鮮による核兵器の限定的使用の可能性について検討したい。何故な…

10月13日 北朝鮮は、本当に「非核化」に応じる気があるのか? 標記の点は、多くの人が疑問に思っていることと思います。 私は、結論として、「絶対にない」と決めつけるだけの根拠は存在しないと考えています(だからと言って、「絶対に応じる」とはもちろん…

10月12日 「軍民大団結」強調、「幸福の権利」とは? 本日も、前掲ブログの内容と共通する面白い記事が掲載されていたので紹介したい。 第一は、「軍民大団結」を称揚するポスターが制作されたことを紹介する記事。軍人とシビリアンが肩を並べて立つ姿に「軍…

10月11日 利己主義的傾向が蔓延? 昨日の記事で北朝鮮当局が懸念する「雑思想」とは具体的にどんなものなのだろうか、という問題提起をしたが、それに関連して(必ずしも、その直接の回答ではないが)、最近、注目された次の2件の論説を紹介したい。 ① 9月25…

10月10日社説「朝鮮労働党は一心団結の旗幟高く、勝利と栄光だけを轟かせていくであろう」 前掲記事のとおり本日は、党の創建記念日(74周年)であり、この社説は、それを記念してのもの。前半部分は、党がいかに優れているか、勝利しつつあるかを自画自賛し…