rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2019-01-01から1年間の記事一覧

12月8日 金正恩、陽徳温泉文化休養地の「竣工式」に出席(12月7日) このところ各種大規模建設工事の完成が報じられてきたところ、今日は、標記報道があった。同地については、金正恩の現地指導が最近だけでも10月25日及び11月15日の2回報じられており、…

12月7日 社説「全党が白頭の革命伝統で徹底して武装しよう」、政論「まばゆい人民の理想郷」 社説は、金正恩の白頭山視察の意義を敷衍し、今後、党を挙げて「革命伝統教養」を従前以上に実質的に迫力を持って推進するよう訴えるもの。 このほか、同日の紙…

12月6日 金正恩の「白頭山騎馬行軍」関連報道 労働新聞紙上では、金正恩の「白頭山騎馬行軍」及びその出席下、竣工式を迎えた仲坪農場の紹介などに関する記事が大々的にとりあげられている。それらを通じて、北朝鮮の目指すところが4日の本ブログに記述…

12月5日 金正恩白頭山騎馬視察行(再論) 標記について、昨日は時間の都合で簡単にしか書けなかったので、注目点をいくつか思いつくままだが、補足したい。 第一は、金正恩が白頭山戦績地での革命伝統教育について、「特に革命の指揮メンバーたち(は)・…

12月4日 金正恩、白頭山革命戦績地を視察。党中央委全員会議の12月下旬召集を決定 4日、金正恩が騎馬で白頭山に登頂し同地の革命戦績地などを見てまわったこと及び党中央委員会全員会議の「12月下旬召集」が決定されたことが報じられた(招集決定の日…

12月3日 金正恩が三池渕郡邑地域の竣工式に出席 「邑」というのは日本で言えば「町」に当たり、「郡」の中心地であろう。「革命の聖地」とされる白頭山を抱える三池渕郡全体の大々的な改修整備事業の第二段階が同邑の整備であった。2日、同地で金正恩の…

12月2日 論説「一心団結の天下之大本は民心である」 「天下之大本」は、簡単に言えば「基本」ということであろう。要するに、北朝鮮の特質である体制の一心団結(もちろん、その中心は首領)を維持・強化するためには、何よりも「民心」を大切にし、それ…

12月1日 「交渉期限設定」の効果 北朝鮮は、対米交渉の交渉期限を「本年内」に設定していると言われる。そのことが米朝交渉にどのような影響を及ぼすのか、換言すると、北朝鮮は、そのような姿勢を表明したことによって、どのようなメリット・デメリット…

11月29日 「第一も第二も第三も質、これが人民の要求である―第9回全国酒及び基礎食品展示会を見回って」(11月30日記) 11月26日の記事で開催を紹介した標記展示会会場の状況を紹介する記事である。 記事の標題からも明らかなとおり、同展示会…

11月29日 金正恩の「超大型放射砲の試験射撃参観」を報道 まず、飛翔体発射に関する事実関係については、韓国の聯合通信が報じたところでは、「韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は28日午後、東部の咸鏡南道・連浦から朝鮮半島東の東海上に超大型放…

11月28日 北朝鮮にとってのGSOMIA問題再論 先般、釜山で開催されたアセアン首脳会議への金正恩招請を拒絶した朝鮮中央通信記事(11月21日付け)について論じた際、GSOMIA問題との関連にも言及したが、問題提起で終わってしまった。以下、その問題に…

11月27日 「二項動態」論 10月22日の本ブログにおいて、「相補的接近」と称する分析方法論を提示したが、それに関連する標記の概念を発見したので紹介したい。 それは、野中郁次郎氏ほかによる『知略の本質』と題する戦略論に関する著書に提示されて…

11月26日 各種展示会の開催(11月27日加筆修正) 11月26日付けで、同月25日から29日までの予定で二つの展示会が開催されていることが報じられた。 一つ目は、科学技術殿堂で開催の全国保健部門科学技術成果展示会で、「医薬品、医療器具の国…

11月26日 論説「率直さと愚直さは革命家の重要な品性」 金正恩は幹部の「面従腹背」的姿勢について根深い懸念を抱いているのではないかとの仮説をかねて抱いてきたが、それを裏付けるような論説が掲載されたので、簡単に紹介したい。 同論説は、「長久の…

11月25日 金正恩が西部戦線(黄海南道)昌鱗島防御隊を視察 金正恩が韓国との最前線に位置する黄海上の島嶼部隊を視察したことが久々に報じられた。 同報道に関し、韓国では、金正恩が視察において防御隊海岸砲の実射を命じたこと、訓練の強化を指示した…

11月23日記事「甫田担当責任制を実情に合わせて行わなければならない―龍江郡浦城協同農場において」(11月24日記)(地名、農場名は音訳) 本記事は、「今年の農業生産において先頭に立った単位の経験」として掲載されたものであり、本ブログにおい…

11月22日評論「自存と依存」(11月24日記) 「自力更生」路線の必要性を主張するもので、その結論自体に新味があるわけではないが、いくつか注目される点があるので、簡単に紹介したい。 第一は、「自力更生」すなわち「自存」が決して唯一絶対の選…

11月21日朝鮮中央通信「すべてのことには、時と場所があるというものだ」 ~GSOMIA問題への影響~(11月23日記) 『労働新聞』への掲載有無の確認のため紹介が遅れたが(予想通り未掲載)、北朝鮮がまたも韓国のラブコールに冷水で答えたのが本記事…

11月22日 論説「着想力を持った幹部だけが単位事業を主導していくことができる」 金正恩にとって、守旧的幹部の仕事ぶりの改善が喫緊の課題になっているとみられる。では理想はどのようなスタイルか。それを示したのが本論説といえよう。 論説は、まず、…

11月21日 論説「社会主義企業責任管理制の実施と国家的指導管理の改善」 「社会主義企業責任管理制」は、金正恩時代における「改革」的経済施策の代表ともいえる制度であり、それが実際のところどのようなものであり、どのように運営されているのかは、…

11月20日 政論「主体朝鮮の絶対兵器」 勇ましい題名である。読者諸氏は、それが何を指すとお考えだろうか。「核兵器」あるいは最近開発中の短距離弾道ミサイルを想起されるかもしれない。しかし、少し北朝鮮と付き合いのある人間なら容易に想像できるよ…

11月19日 金正恩、朝鮮人民軍8月25日水産事業所と通川魚加工事業所を現地指導 また、金正恩の雷が落ちた。標記記事によると、「人民武力省に各部署があり、たくさんの将軍佐官が座っているが、誰も党において関心を持つ(8月25日)水産事業所において計…

11月17日 記事「幸福の光を守る人々―定坪郡中小型発電所運営・建設事業所において」(11月18日記) 短い記事だが、前掲の論説とも関連して、今、北朝鮮の勤労者に何が期待されているかを端的に反映しているとの考えから、紹介したい。 記事は、まず…

11月17日 論説「すべての分野で社会主義の優越性を高く発揮しよう」 表題からは想像しなかった興味深い内容の論説。ここで言う「社会主義」とは「我々式社会主義」を指すのであるが、「(その)優越性を高く発揚することは、特に今日、一層切迫した重要…

11月16日 論説「家庭礼儀道徳をしっかり守ることは家庭と社会の前に帯びた義務」(17日一部修正) 標記論説は、家庭内において、親子・夫婦の間で道徳的な正しい関係を築くことを訴えるもの。北朝鮮では、11月16日は「母の日」とされていて、同日付…

11月15日 評論「唯一の基準―実践」ほか2題 この評論のサブタイトルは、「忠実性教養を強化し、千万を党中央決死擁衛の戦闘闘士に育てよう」となっていて、これだけ読むと実に勇ましい、明日にでも戦争を始めそうな印象を受けるが、本文の主張は、それと…

11月14日 掲載されない「国務委員会スポークスマン談話」 北朝鮮は、13日、国務委員会スポークスマン談話を発表した。同談話は、米韓の合同軍事演習実施などを捉えて「6・12米朝共同宣言に対する露骨的な破棄」と決めつけ、米国が今後ともそのよう…

11月13日 北朝鮮は食糧不足なのか(「愛国米献納」再論) 昨日のブログで、「社会主義守護」との文脈の下で事実上「愛国米」の献納を奨励するかのごとき論説(12日付け)を紹介した。同論説については、韓国の聯合ニュースにも本ブログと同様の視点から…

11月12日 論説「コメで社会主義を守り我が革命を守護しよう」 標記論説は、標題のとおりコメの増産こそが北朝鮮体制を維持していく上での死活的課題であるとして、それに向けた奮闘を訴えるものであるが、これまでの本ブログでの論点とも関連する興味深…

11月11日 北朝鮮は何故、文政権を冷遇しているのか 本日は、労働新聞から離れて、標記についての思いつきを書き連ねてみました。 誠に未整理ながら、何かの参考になれば幸いです。 問題の所在 韓国文政権に対する北朝鮮の冷たい対応が続いている。最近の…